今回は100年に1度の変革期ケースを含む自動車業界をピックアップ。
世界の自動車業界 現状
まずまず堅調な推移。2018年度の国内新車販売台数は前年度比1.2 %増の522.9万台と3年連続で増加。ただし、国内の新車市場ピークだった1990年度の3分の2まで縮小しておりあくまでも「直近」が堅調といった見方ができます。
また2020年1月現在でも、米中貿易戦争・日本の消費税増税などの不安要素が残る中でも、継続して堅調に推移しています。
世界の自動車業界 今後 米中自動車市場はどうなるのか?
現在、世界最大の中国の自動車市場。2年連続で前年実績割れとなる見通しのなかで、2020年は世界最大の中国市場の回復が期待されている。
大都市が交通渋滞対策のために導入していたナンバープレートの発給制限緩和に乗り出している(中国では爆発的な車両増加の制限を行っている)が、中国広東省の緩和に続いて、貴州省は規制撤廃に踏み切っている。
アメリカ自動車市場。
世界的に堅調にみえるものの、中身をみると、サブプライム比率が高まっていいます。※後述します。金融緩和から来る金余りした結果、審査が緩いため市場の健全性には注意が必要です。
ちなみにアメリカでは大不況の引き金となった「サブプライム・ローン」住宅購入用途向けの不良債権化が問題なりましたが、以下サブプライムを対象としたため、サブプライム・ローンへの投資を証券化し金融商品として取引可能にした「サブプライム・モーゲージ(subprime mortgage)」は、金融市場で価格が下落するなどして、リーマン・ショックを代表例とする経済問題に発展しました。
「サブプライム」とは?
信用度が高い優良な顧客をプライム(prime=優れた)とするのに対し、信用度が低い顧客をサブ(sub=下位の)プライムと呼びます。このような、返済能力の低い人たちに対し、住宅などを担保に高利で貸すローンをサブプライムローンと呼びます。
自動車業界 を変える「CASE」とは?
「100年に一度の変革期」とされる自動車業界。2020年も「CASE」と呼ばれる次世代技術の実現に向けた開発競争が進んでいます。CASEとは、Connected(つながる)、Autonomous(自律走行)、Shared(共有)、Electric(電動)を意味する言葉です。
Connected(つながる)
例としては、トヨタ自動車株式会社では、クルマに搭載した通信機器 ➕ GPSで盗難車両を見つけるサービス。カーナビの情報をスマートフォン経由で得て、リアルな走行距離に応じた保険料を決める「つながる自動車保険」を実施をしています。
また2020年1月7日(火)~10日(金)に米国ネバダ州ラスベガスで開催するCES 2020において、人々の暮らしを支えるあらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」のプロジェクト概要を発表するなど、自動車にとどまらない取り組みを指しているようです。
Autonomous(自律走行)
やはりcase本命といえばこれですね〜自動運転。自動運転のレベルは0〜5に分類されます。以下、フォルクスワーゲン解説より抜粋
自動運転レベル0:ドライバーがすべての操作を行う。
車の加減速・ステアリングなどすべての操作をドライバーの判断で行います。後方死角検知機能やABS(アンチロック・ブレーキシステム)など、ドライバーへの警告や介入に関する装備はレベル0の技術ですが、システムは運転操作に対しては関与しません。
自動運転レベル1:ステアリング操作か加減速のいずれかをサポートする。
車線の逸脱を検知するとステアリングを補正するシステムや、先行車との距離を一定に保つために自動で加減速を調整するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)など、ステアリング操作と加減速の支援システムが相互連携しない技術を「レベル1」と呼びます。多くの新型車に採用されている、いわゆる運転支援システムです。
自動運転レベル2:ステアリング操作と加減速の両方が連携して運転をサポートする。
ステアリング操作と加減速の両方を、連携しながら運転をサポートするのが「レベル2」の運転支援技術。例えば高速道路上での渋滞時、ストレスや疲労を大幅に減らすことができます。この「レベル2」が現時点で公道最高水準の運転支援技術となっており、既にいくつかのメーカーからこの技術が搭載されたモデルが発売されています。
自動運転レベル3:特定の場所ですべての操作が自動化、緊急時はドライバーが操作。
高速道路など特定の場所においてクルマが交通状況を認知、運転に関わる全ての操作を行います。ドライバーは運転から解放されますが、緊急時や自動運転システムが作動困難になった場合、ドライバーがクルマに代わって対応を求められるので、必ず運転席に着座している必要があります。
自動運転レベル4:特定の場所ですべての操作が完全に自動化される。
レベル3同様、特定の場所に限りクルマが交通状況を認知して、運転に関わる全ての操作を行います。さらにレベル4では、緊急時の対応も自動運転システムに操作を委ねます。自動運転システムを利用している限り、ドライバーの運転操作はもはや必要ありません。
自動運転レベル5:あらゆる状況においても操作が自動化。ハンドルもアクセルも不要。
レベル4同様、クルマが交通状況を認知して、運転に関わる全ての操作を行います。さらにレベル5では、場所などの制限なくほぼ全ての条件で自動運転が可能。いわゆる「完全自動化」で、運転操作は全てクルマが担います。シートアレンジやデザインの自由度が格段に上がり、本来のクルマの形とは全く違ったパーソナルモビリティへと進化します。リビングのような空間で、全ての乗員がくつろぎながら移動できる、安全で快適な移動手段として、クルマの意味合い自体が大きく変化するでしょう。